メルセデスベンツ300TD・W123の入庫です。
以前業者さんよりレストア作業の依頼を受けた車両ですが、その当時より指摘していたエンジン不調の原因である箇所を修理させていただきました。
年式も1980と自分よりも年上のクルマです。
おそらくインジェクションポンプのオーバーホールは一度もしていないと思われるコンディションでした。
おもな不具合の症状は、Dレンジ停車アイドリング中にエンジンの振動が大きくなることがある(毎回ではないが頻度は増えてきた)という内容です。
意図的にエンジン回転を上げてやると症状がきえるので圧縮やインジェクターは原因としてはかんがえにくいです。当然噴射量のばらつきや圧縮のへたりはあると思いますが、今回のケースでは真因とはいえません。
排ガスの状態や、エンジンのほうでいくつか点検をすると、エンジン回転が低下した際にプランジャからの燃料漏れをしていることはほぼ間違いありませんでした。
とはいえ、ポンプのオーバーホールには二桁万円を楽に超える費用がかかります。
いったんポンプを取り外して各プランジャーからの噴射を目視にて確認したところ、やはり5番シリンダが低回転時のみ噴射していないことが分かったので、無事に原因判明。
今回は依頼主の業者さんがオーバーホール済のポンプを持込。しかし海外でのオーバーホールされた部品だからか、合いマーク位置が元の部品と違っており噴射時期を合わせるために何度もポンプ脱着を繰り返しました。(最初はエンジンがかからずかなり焦った)
正直かなり苦労しましたが、調子よく走れるようにもなったので新しいオーナーさんに大事にしていただけると嬉しいです。
貴重な経験をさせていただきました。ありがとうございました。